ショパン ノクターン遺作

タイトルの通り、1年間練習してノクターン遺作が弾ける(押せる)ようになってきた(とても怪しいが)。

こんな曲。色々見たが、この方の演奏が個人的には一番好み。

youtu.be

映画「戦場のピアニスト」で有名な曲である。元々はショパンが姉のルドヴィカにピアノ協奏曲第2番の練習用に送った曲で、ショパンの死後発表された曲である(なので遺作)。

昨年はショパンコンクールで日本人が入賞し話題となった。日本人ではないが最終選考ではピアノ協奏曲第2番を弾く方がおり、ところどころこの曲と同じフレーズが出てきて面白く聴けた。

 

1年前の知識だと、ショパンといえば「子犬のワルツ」や「ノクターン9-2」の、それも最初の方だけしか知らなかったが、Youtubeなど見ていろいろな作品を知るようになった。

ノクターン遺作」は子供の発表会で知り、感動し無謀にも弾いてみようと思ったのだが、いきなり2小節目の「×」(ダブルシャープ)の意味が分からなかった。

1年前は楽譜が読めなかった。最初に読んだ「読んで覚える 楽譜のカラクリ」の紹介で「楽典」という本があることを知り、「よくわかる楽典の教科書 」を買って、とりあえず一通り読んだ。これで大抵の楽譜が読める(分からなければ調べられる)という状態にはなった。

ダブルシャープは分かってしまえば単純なことで、嬰ハ短調のファは半音上げて(ファ#)弾くがその音をさらに半音上げる(ソ)という意味である。これがネットで調べても合ってるのかよく分からなかったので、ちゃんと学ぼうと思ったのである。

参考までに、序盤の楽譜はWikipediaで参照できる。

ja.wikipedia.org

しかし、一昨年の年末のロングロングアゴーの次の曲としてはかなり無謀であった。もっと簡単な曲にすれば良かったと思う。

まず最初の和音が押せない。指がつる。が、これは固定観念があったようで、妻から2点言われた。1つ目は、ピアノは鍵盤の先端(手前)だけを押すものかと思っていたが、そんなことはなく、真ん中らへん、奥らへんなど指が起きやすい場所で弾けば良い。2つ目は、音と指の関係が、小学校で習ったレベルだったのでドレミファソラシドを12312345で必ず引かなくてはいけないのかと思っていたが、全くそんなことはなく、指番号を基本として、あとは次の音を考えて引きやすいように弾けば良いことを知った。

あとは、ひたすら練習。楽譜を頭/体に覚えさせる。両手でいきなりは無理なので、次の手順で少しずつ長く弾けるように地味な練習を重ねた。

  1. 右手だけで1小節無理なく弾けるようになる、遅くても良い
  2. 左手だけで1小節無理なく弾けるようになる、遅くても良い
  3. 両手で弾けるようになる、遅くても良い
  4. 1ー3のスピードを上げる
  5. 次の小節も同様に練習
  6. 前の小節から続けて引く、全然弾けないので、続けて引く練習を右手、左手、両手で行う。

ちなみに最初ペダルはベタ踏みである。両手だけで必死なのに足という3つ目の動作をするのは無理なので一旦諦め後回しに。途中からペダルは練習しなおした。

 

早いところの練習にはYoutubeを参考に指をスローで再生し確認しながら進めていった。参考にしたのはこちらのPiano Spaceさんの動画。この方の解説は独特だが自分には一番しっくりきた。40分以上かけてじっくり解説されている。

youtu.be

というわけで、1年かけて、なんとなく弾けるようになったのだが、満足に弾けたことは一度もない。

途中から練習記録アプリを使い始めたが、振り返ってみると昨年6月に暗譜(音符を覚え押せるようになるだけの意)してから、半年以上通し練習をしている。昨年2月〜12月まで少なくとも122時間練習したらしい。とても効率が悪そうな気がした。

 

そろそろピアノを習おうかと考え中。独学なので変な癖が色々ついてしまったと思うが、何も知らない状態から習うよりはよいと思う。

 

2021年の練習記録

2月:16小節まで暗譜
3月:24小節まで暗譜
4月:31小節まで暗譜
5月:53小節まで暗譜

6月〜8月:通し練習、早いところ練習、苦手なところ練習

9月〜12月:通し練習、強弱を意識、ノーミス目指すが、いまだに弾けない。

== 子供のためにアップライトピアノ購入 ==

1月〜2月:通し練習、指使い見直し。

ライブラリアンという職業

 楽しいオーケストラ図鑑という子供向けの本を図書館で借りた。オーケストラで利用される様々な楽器について写真と簡単な解説が書いてあり、とても興味深い本だった(知らないことだらけ)。

例えば、ハープは各音を足で、シャープ、ナチュラル、フラットを切り替えながら弾いていたとは知らなかった。ハープの中の仕組みまでは書かれていなかったが、面白い発見だった (弦を伸縮させるのか?)

後半には楽器ではないが、オーケストラを支える職業ということで、運送の人、当日のスタッフの方など、裏方的な職業も書かれていた。中でも個人的に驚いたのが、「ラブラリアン」という職業である。

オーケストラに楽譜を提供する仕事といってしまうと簡単に聞こえるかもしれないが、様々な年代、様々な地域・言語、様々な楽器の楽譜を理解し、オーケストラ向けに提供する。楽譜を探して渡すだけではなく、楽器の指定、楽譜の誤り訂正、楽譜への書き込み(過去の演奏などを参考に)など、専門性を要求される職業であることを初めて知った。また、クラッシック音楽の中心は欧州なので、楽譜を読み解くには複数の欧州言語をマスターしている必要があるとか。日本には50人ほどしかいない。

私はというと、最近は楽譜を見ていると音符以外にも書かれているところが気になって楽しくなっている。特に発想標語(気持ちを伝える言葉)が楽譜に書かれていると意味が気になる。dolce、brilliante、passionato、appassionato、sostenuto、delicato、morendo、espressioneなど。

検索すればいくらでも解説記事があるが、それが正しいのかがまだ判断できない。良い解説本に出会いたい。

音楽(楽譜)は奥が深い。

楽譜を読めるようになりたいエンジニア

思うところがあったので綴ってみる。

 

うちの子供は小学生になったタイミングでピアノ教室に通い始めた。

私はというと鍵盤に触る機会などほぼなく、人差し指でカエルの合唱が引ける程度のレベル。

ピアノ教室では、子供は、先生に慣れるところから始まって、しばらく見守っていた。が、あっという間にちょっとした曲を両手で弾ける様になっていた。

子供がこんなに短時間でできることが、要領の良い大人にできないわけがないと思い、ピアノに向かい続けること3週間、なんとか「ロングロングアゴー」という曲をつりそうになりながらも両手で弾ける様になった。左手で弾くということが考えられなかった自分にとっては、とても嬉しかった (何人かに褒められた。大人になっても褒められるのは嬉しい)。

さて、悠長に私が練習している間に、子供はそんな親を遥かに超え、難しい曲を毎週どんどんこなしている(私にはそう聞こえるが妻はそうでもないらしい)。私はロングロングアゴーで満足していたが、次の目標が欲しくなった。

 

ところで、子供がピアノを弾く様になってから我が家ではクラッシック音楽をよく流す様になっている(何だか高尚な感じで良いです)。最近はYoutubeでよく聞いている。鍵盤を写しながら弾いているプロのピアニスト、楽譜に連動し鍵盤が光る動画を公開している方、辻井伸行さん、ストリートピアニストなどなど、素晴らしい情報にあふれている。私が育った頃よりも良い情報が簡単に手に入ることに喜びを覚えた。そして楽譜も簡単に手に入る。本もそうだが、コンビニで300円で買える。

 

一方で、その音楽を理解する能力が私にはないことにも気づかされた。楽譜が読めない。ト音記号は分かる。ヘ音記号が分からない(ロングロングアゴーは左手もト音記号の楽譜だった)。ト音記号がずれているやつということは分かる。どうも左手用にずれているということは妻に教わって何となく分かった。確かに低い。ピアノに両手を置いたことを考えれば、左手が右手の音より低いのは当たり前だ。だが何故「へ」なのか分からない。

そして色々なクラッシック曲を聞くうちに、その曲を弾ける様になりたいと思い、楽譜を入手し見てみるが、1小節弾いて喜ぶ程度で終わり。なんとなくは読めるが分からない。音が合わない。妻に聞いても分からない。どうも基本的なところが分かっていないらしい。

当たり前かも知れないが、音楽教室に通うと練習曲は習うが、楽譜を読むための基礎的な知識の習得はしない。子供向けだからそんなことをやったらつまらないのだと思うが、私はその情報が欲しい。とても欲しい。解説記事が欲しい。なんでヘ音記号なのかト?ヘ?いろはなんだろうけどなんも分からん。ネットで調べても単発的な情報で体系的に理解できない。理系としては困る。基礎があっての応用(弾きたい楽譜)。

 

楽譜を読める様になりたいと思った。ショパン、リスト、ギロックなど今まで名前しか知らなかった作曲家達の複雑な楽譜を読める様になりたくなった(ギロックは名前も知りませんでした、とても華やかで良いですね)。プログラミング言語習得でいうところの予約語と文法を覚えたかった。音楽はプログラミング言語の様に方言の様な物がなさそう(楽器による専用の楽譜(記号?)はありそう)なので、一つ覚えれば大丈夫そうなので助かりそうだ。(そこまで落ち着くまでの紆余曲折があったのかも知れない、知りたい)

 

目下、私が分からなかった(知りたかった)ことは、シャープ、フラットこれがなんなのか。半音上げる下げる、そもそも半音という意味。長調短調、調号など。調べ始めると、どうも音楽理論という物があるらしい。玉石混交なネットの中で素人の私が正しい情報にたどり着くには無理がある。効率が悪い。やはり何か一冊本を読んで基礎を理解するのが近道と思った。

 

そして今日良い本に出会った。図書館に偶然置いてあった本に出会った。「読んで覚える 楽譜のカラクリ」素晴らしい。ステマではない。私の様な状況の方はいないかも知れないが、もし居たら勧めたい本だ。

ト音記号ヘ音記号のトとヘが何なのか書いてあった。(個人的には何でトとヘが選ばれたのか、何でそんな記号の形(位置はなるほど思った)になったのかも気になったのだが、それは別の本で調べればいい、ひとまず満足。)。また、半音全音の意味も分かった。「ドとレ」と「ミとファ」に音階の差があるとは知らなかった(思えばファは何だか不思議な音だなと思ってた。)。ミのシャープ、ファのフラットがなぜ無いのか理解出来た(ただピアノが何故あの並びになったのかとても気になる、ピアノの前身のチェンバロを調べると分かるのだろうか)。長調のイロハ(ハ長調を基本として1音ずつ変化させる)、短調はそこまで書かれていなかったので別の本で学びたいと思った (次に読むべき本が分からない!)。

 

というわけで、良い本に出会ったという話である。次に読むと良い本は何が良いだろう。自分の音楽の目標が分からなくなりつつあるが、自分の学問への向き合い方としてまずは基礎を習得し、その後応用が性に合っている気がする。

ピアノは全然弾けない。弾くにはかなりの技術が必要でこれは単純に反復練習しかないということは身に染みて分かった。世の中に華麗に弾いている方々が、いかに努力(時間をかけている)をしているか分かった。(プログラミングもそうか)

とは言え日々の仕事などに追われ反復練習するは私に時間がない。週末弾くだけでは思い出して引き直すだけで、新しいことは少ししか出来ない。毎日はとても出来ない。毎日弾いている子供に追いつけないのは当たり前である。

 

そんな訳で出来ないものはしょうがない。今のところの目標。(#はエンジニア目線)

・音楽の由来を知ること。その時代背景を理解したい(子ども向けの伝記を読んでみる)。 # このSW/OSSが何故作られたのか

・楽譜を正しく読む。何でも読める様になる。(使ったこと/見たことががないから知らん、は無くしたい。) #Thread知らんとかエンジニアなら言えん。

・ネットの情報を理解したい。#馬の骨の記事を鵜呑みにしたくない、目を養うための知識を得る

・弾けなくてもいいから、音楽の構成をざっくり理解したい #githubでREADMEでざっくり理解した後、コードをさらっと読んでそう言うことかと思えるようになる

 

というわけで、年末年始時間が取れそうなのでとりあえず頭でっかちで良いので詰め込みます。次のステップへ進む良い本を模索中です。

 

読んで覚える 楽譜のカラクリ

読んで覚える 楽譜のカラクリ

  • 作者:田熊 健
  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: 楽譜